ズボンのふくらみ
体外受精(顕微授精)をするも、ダメで絶望的になっていたそんな時、
一人目を奇跡の自然妊娠で授かった。
妻と、先日、ズボンを買いに出かけた。
妻:「これ、ヘロヘロに似合うんじゃない?」
ヘロヘロ:「サイズが合わないよ、俺、そんなに細くないもん」
妻:「履いてみれば」
ヘロヘロ:「・・・」
(こういう時、履かずに、否定すると怒られるので、黙って、フィッティングルームに向かった)
ズボンを履いた後、妻を呼び
ヘロヘロ:「どう?」
妻:「履けたじゃん」
ヘロヘロ:「キツイ・・・」
妻:「やせればいいじゃない」
ヘロヘロ:(股の下をさしながら)
「モッコリしているの見えない?」
妻:(笑いながら)
「あんたの、そんな所、誰も気にして見ないって!」
ヘロヘロ:「キツイと、精子にも良くないんじゃないの?」
妻:「大丈夫じゃない?」
ヘロヘロ:「苦しいよ・・・」
妻:「これ、一品モノだから、安くなってるんじゃないの?
この値段では、なかなか売ってないよ」
ヘロヘロ:「モッコリ気にならない?」
妻:「大丈夫!私は、気にならない」
その後、そのズボンを履きながら、立ったり、座ったりしても、
なんとかなることから、ズボンを買うことにした。
前までは、常に、
・タマを冷やせ、
・マッサージしろ
・コーヒー禁止(カフェイン禁止)
・お酒禁止
・自転車禁止
等々うるさかった妻だが、ここ最近は、そんなにうるさくなくなった。
ひょっとして、もう、子どもは、これ以上いいのかと思っていたら、
ため息をついていた。
どうしたの?と聞くと、
「お金貯めても、又、体外受精でお金が飛んでいく」
とのこと。
「あのね~、それだったら、
安いからってキツイ、ジーパンを履かせている場合じゃないでしょ」
とは言えずに、ぐっとこらえている自分がいた。